森は生きているのスケッチブック
森は生きているというバンドのライブに行った。昨年の11月に久々に見ての、今回のライブ。
今や渋谷クアトロを満員にする彼らは、元々とてつもない集団ではあるんだけど。
今回のライブは、色んな風景を一気に見に連れて行ってくれるような。目まぐるしくも目は回らない、でも夢中になる、そんな世界観をぐるっと作ってしまっている。単純に、すごかった。ライブの後音楽マニアの友達が、彼らのレコードの棚を見ているようだった、と言っていて、なるほどと思った。私が知りもしないジャンルも含めて、本当に色んな音楽が混じり合っていたんだなあ。それは、音楽に詳しい人ならなおさら、聴いていてわくわくする感覚だろう。
そして思ったのは、
彼らのスケッチブックは真っ黒だろうなあ、ということ。
あ、リーダーはとくに。
いろんなことを思いついたり考え出したり、やってみたり、失敗したり、成功したり、切り捨てたり、掬い出したり。
そうやって、はじめは誰にも頼まれなくとも、いつの間にかスケッチブックを真っ黒にしてるんだ。だからこそ、人のスケッチブックにも書いて欲しいとたのまれたりもする。
そしてたまたま手元に残った、三秒で書いた何かに価値が生まれる可能性もあって、これのコピーでいいから買いますという人だって現れるかもしれない。
そうやって真っ黒のスケッチブックを、人前に出したり、出さなかったりしながらも、ものを生み出し続けて行くんだろうな。
あ、この「スケッチブック」は、絵とか文字だけではなく、音楽まで広げたたとえ話。あと物理的にスケッチブックを使っているかどうかも知りません。笑 あくまで想像の話です。実際は、何かに吹き込んだ音源とかデータとか。がむしゃらに楽器を練習する時間だったり。そんな形だったりするのでしょう。
音楽、しかもバンドという複数人数で音楽を生み出すことにはさらに別次元の話が伴うけど。
ものを作るという観点でいうと、彼らのぐっしゃぐっしゃの真っ黒なスケッチブックを、取捨選択して作り出した今がある。そして完成形というわけでもなく、終わりはないんだろうなあ。
当たり前のようなことしか書いてないけど、なんだか身につまされる思いがしました。
いいライブでした。
二年前の個展、「さくはんじょのハコ@上井草SLOPE」にて展示した、mori wa ikiteiru(当時のバンド表記)のはんこ。無性に懐かしいです。
でもMCの雰囲気含め、本人たちはいつもあまり変わらずあっけらかんとしている感じがして、なんだか安心します。