【およそ3センチ角の日記】20160701 安西水丸のスノードーム

ちひろ

3cm角日記の仕様が定まらなくて恐縮ですが。

先日、上井草のちひろ美術館に行ってきました。
今は、「村上春樹とイラストレーター」展。
佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸の4名のイラストレーターの作品が展示されています。
平日昼間というのに、以前行った数回のちひろ美術館の展示の中では一番混んでいたような。

もともと村上春樹と4人のイラストレーターについて、私は「大ファンです!」と言えるような気持ちではなかったのですが。
安西水丸さんが亡くなってから、雑誌「Coyote」の特集で見た作品たちに惹かれて、少しじっくり見てみたいなと今更思ったので今回いってみたわけです。

村上春樹作品は我が家にいつも転がっていて(本ってよく転がってませんか)、
うち数冊は読んだけど、読んでいない本もうちに転がっているので、表紙はなんとなく覚えている。
転がっていた表紙の印象はどうしても佐々木マキさんの印象が強い。うちで転がっていた率の問題かもしれませんが。
関係ないですが佐々木マキさんって男性だったのですね。

そして安西水丸さんのコーナーへ。
この人の描く線の、自然さ、だけど確実に捉えている、
この魅力ってすごいなあ、とCoyoteを見て思い。
見ていて楽しくなる色使い、表情。生でみるとまたその瑞々しさがすごい。
好きなものを収集したり、目の前のものを描き続けたり。
それを極めて少ない線で描く、心地よさと、相反する表現かもしれないけど我の強さみたいなものを感じる。決して悪い意味ではなく。

そしてこれは、この日みた全ての作品に通じるものだけれど、
もちろん仕事としての表現である前提で、
それでもなお、これが仕事やコラボ、などという言葉で片付けられないくらい、
お互いの感性に触れ合いながら仕事をしている、というギラギラ感とさりげなさが同居している感じがある。

特に和田誠さんと安西水丸さんは、どちらもタッチとしてつるりとやっているように見えて、
お互いの創作の根底になる部分をつんつんと、あるいはガンガンと刺激し合っているというか。

村上春樹氏も含めて、そういう部分を触り合う相手がいるということは、
きっとお互いにとって救いであり支えでありまたひとつの脅威でもあるんじゃないかなあ、
と、勝手に思った。

安西水丸さんの描くスノードームがすごく好き。
好きなものが描かれた作品って魅力あるなあ。と思う。